menu

年間200億円にのぼる害獣被害の対策にIoTを活用。富士通「広域鳥獣クラウドサービス」

IoT

最近、シカやサルに畑が荒らされたり、人がイノシシに襲われたりといったニュースを頻繁に耳にします。農林水産省によれば日本国内における鳥獣被害は年間約200億円。地方の農村では過疎化が進んだ結果、人と動物の生活圏のボーダーラインが人側に押し戻されているという指摘もあるようですが、いずれにしろ農家や住民の方にとって頭を悩ませる問題なのは間違いありません。

そうしたなか登場したのが、富士通によるIoT技術を利用した「広域鳥獣クラウドサービス」です。

オンラインで捕獲を通知&繁殖を防ぐ効果も

富士通の「広域鳥獣クラウドサービス」は、通信機能が付いた「箱ワナICTキット」によって害獣を捕獲し、自治体や住民、猟友会といったユーザー側に通知するというもの。

複数の「箱ワナICTキット」を無線ネットワークでつなぐことによってモバイル回線経由でクラウドサービス上にデータを送信し、イノシシなどが罠にかかった際はメールで通知を受け取ることも可能です。2016年5月に東京ビッグサイトで行われたIoT製品のイベント「ワイヤレスジャパン2016」に出展され、プレス関係者からも大きな注目を集めました。

このサービスで注目したいのは、「箱ワナICTキット」に画像判別機能が搭載されており、害獣の大きさによって捕獲を選別できる点。富士通の担当者によれば、イノシシの場合、生後1年足らずの幼い個体はワナにかかりやすいものの、実際に農作地を荒らし、被害をもたらすことが多いのは成長したメス。また繁殖を防ぐうえでもメスの成体を減らすことがキーポイントだといいます。

「箱ワナICTキット」は搭載されたカメラがワナに入った害獣の姿を捉え、一定の大きさ以上の場合のみ箱ワナが閉まります。カメラの画像はクラウド上に送信され、ユーザー側のPCで確認することが可能。ワナにかかった害獣の大きさがあらかじめ分かるので、必要な人数やタイミングなどを考慮してより安全に回収に行くこともできます。

「広域鳥獣クラウドサービス」は先進的なモバイル活用を表彰する「MCPC award 2016」でユーザー部門 AI&ロボット委員会特別賞を獲得し、すでに熊本県と福岡県の一部エリアで試験的に導入済み。具体的な製品化はこれからですが、近い将来、多くの人を悩ます鳥獣被害がIoTの力によって大きく減る日が訪れるのかもしれません。

小野 良勝 代表取締役

投稿一覧

横浜の制作会社アイティネットの代表取締役。WEB、モバイル、DTP、デジタルサイネージを事業展開。それぞれの特性を活かした メディアミックスを得意とする。iPhoneやiPadを活用したBtoB向けのアプリケーションを開発。モチベーションの高い人や異業種との交流がたまらない。華の47年組。趣味はオートキャンプ

アメリカ・EEDAR社の調査に見るVRマーケットの「今」(後編)

もう一度見直したい、SNS広告のランディングページ(前編)

関連記事

  1. Bitbite|ユーザーの「咀嚼」を解析して食生活改善をサポート…

    「Bitbite」は、ユーザーの食生活改善をサポートするイヤホン型のウェアラブルデバイスです。2cm…

  2. No More Woof|愛犬の気持ちを翻訳してアウトプット。 …

    動物の気持ちや感情を言葉で受け取るー。多くの愛犬家やペットオーナーが一度は考えたことはある、そんな夢…

  3. Enevo One|センサーでゴミの堆積量を検知し、スマホやPC…

    「Enevo One」は、フィンランドのスタートアップ企業Enevo社が開発した、ワイヤレスのセンサ…

  4. 時間ごとの食欲まで予測して廃棄率を75%カット。スシロー「回転す…

    ここ20年近くにわたって市場が縮小傾向にある外食産業。限られたパイを競って生き残っていくためには、こ…

  5. IoTで安定した都市生活をサポート。カナダの電力会社BC Hyd…

    少し古い話にはなりますが、2003年8月にアメリカとカナダで発生した大停電を覚えていますか? 発生当…

  6. Magic Band|奇跡を起こす!?

    今回はディズニーが本気を出して完成させたIoTについてご紹介していこうと思います。それは『M…

  7. ポップでコンパクトなタグに万全の機能を搭載。 落とし物追跡スマー…

    計4色のカラーラインナップから選べるポップなタグが特徴的な「SenseGiz FIND」。一見すると…

  8. Kolibree|歯磨き採点ロボット

    虫歯になると治すのに多額のお金と時間がかかりますよね。それによる機会損失も少なくないはずです。ですが…

PICKUP

PAGE TOP