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登山者の行動データ取得にBeaconを活用。長野県「山岳遭難防止プログラム」

Beacon

小型の端末によって利用者の位置情報を取得できるBeaconは、アウトドア・レジャーの分野でも活用され始めています。長野県は2014年に登山者の事故や遭難を防止するためのプロジェクト「山岳遭難防止プログラム」を策定し、その一環としてiBeacon端末を利用したテストを実施しました。

「山岳遭難防止プログラム」は、登山者の正確な位置情報や、事前の登山計画と実際の行動履歴、過去の災害・気象情報などを「山岳G空間データベース」として集約し、登山者自身やその家族・知人、万が一の時に救助にあたる県警に提供するものです。

長野県は登山者の詳細な行動履歴を得るために、Android対応アプリ「山小屋アプリ」を開発し、北アルプス山域の登山者1人ひとりにペンダント型のBeacon端末「お守りビーコン」を配布。「山小屋アプリ」をインストールしたスマートフォンを山小屋に置くことで、接近した登山者を検知し、通行実績としてデータを取得します。

登山者が事前に登山計画を立てる際、Web上のフォーマットに日程やルートとあわせて、iBeaconのIDと自分のプロフィールを登録しておくと、山小屋を通過した際の通行データが記録され、それがサーバに送信されることによって、家族や知人もWeb上から安否を確認することができます。

蓄積されたデータは。登山者の行動パターンとして、過去の天候データや災害情報と照らし合わせて検証することが可能。専用アプリを登山者のスマートフォンにダウンロードさせるのではなく、山小屋に置いた端末にデータを集約させるのは、常にイレギュラーの可能性がつきまとう、登山という分野ならではの工夫なのかもしれません。

このテストでは、北アルプスの燕岳登山口や山小屋「燕山荘」をはじめとした計11ヶ所に「山小屋アプリ」が配置され、約1ヶ月間の実施期間の間に合計128人のiBeacon端末を持った登山者が参加しました。その結果、燕岳登山口や「燕山荘」では約90%の検知率が見られたものの、一部では、設置場所や回線の問題もあり、検知率が低かったポイントもあったとされています。

また、登山パーティから個々のメンバーがはぐれるのを防止する目的で、パーティのリーダーにメンバーのiBeacon IDが登録された専用アプリ「登山者支援アプリ」を持たせ、メンバーとの距離が一定以上開くとアラートを通知するテストも実施されました。

長野県内では2014年には約300件の遭難事故が発生し、死者・行方不明者の数も数十人にのぼるなか、登山の安全確保にどのようにBeaconが役立てられていくのか今後の動向が注目されています。

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小野 良勝 代表取締役

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横浜の制作会社アイティネットの代表取締役。WEB、モバイル、DTP、デジタルサイネージを事業展開。それぞれの特性を活かした メディアミックスを得意とする。iPhoneやiPadを活用したBtoB向けのアプリケーションを開発。モチベーションの高い人や異業種との交流がたまらない。華の47年組。趣味はオートキャンプ

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