昨年7月14日、GoogleがBLEBeaconの新規格である「Eddystone」を発表して話題となりました。
この発表に注目したマーケター&プログラマーの方も非常に多いと思います。
しかし中には「Eddystoneって何だ…え、おれ遅れてる!?」という方もいらっしゃいますね。
大丈夫です、まだまだ余裕で間に合います。
むしろEddystoneを始めとしたBLEBeacon市場はこれからといったところです。
そこで今回は、Googleが提供するEddystoneの解説をしていきたいと思います。
Eddystoneとは
Eddystoneとは、簡単に言えば「BLE(Bluetoothe Low Energy)/省電力近距離無線通信技術」を利用した最新の位置情報特定技術の一つ、またはこれを搭載したデバイスのことです。
競合にAppleが提供する「iBeacon」がありますが、iBeaconなら知っているという方も多いでしょう。
※iBeaconの解説に関してはこちら→「ヤバい…乗り遅れた…」今更人に聞けないiBeaconについて解説
ペアリングの概念がない
通常Bluetoothを搭載したデバイスと言えば、ペアリングによってマスター(PCや音楽プレイヤーといった親機)とスレーブ(マウス・キーボードやヘッドホンといった子機)を接続して利用します。
しかし、Eddystoneを始めとしたBLEBeaconにはペアリングという概念がないので「マスターとスレーブをスキャンして接続」という工程が必要ないんです。
つまりユーザーがEddystoneに近づくだけで、お得な情報やクーポンを発信出来るんですね。
ちなみに、BLEBeaconは2.4GHz帯を利用する通信機器(主に無線LAN)との混線もないというメリットがあります。
iBeaconとの違い
では、同じBLEBeaconであるEddystoneとiBeaconは何が違うのでしょうか?
3つのモードを搭載
Eddystoneには以下の3つのモードが搭載されています。
≪Eddystone-UID≫
BLEBeaconとして基本的なモードであり、iBeaconで言うところのUUIDに相当します。
アドバンタイジングパケットと呼ばれるデータを送るユーザーのデバイスと接続することが可能。
≪Eddystone-URL≫
Eddystoneの最も注目すべき機能と言っても過言ではないのがこのモードです。
iBeaconとユーザーデバイスを接続するためには、専用アプリケーションをデバイスにダウンロードしている必要がありました。
しかも、iBeaconを導入しているブランドや店舗などによってアプリケーションが異なるので、ユーザーからすればアプリ管理が煩雑化していたんですね。
Eddystoneではユーザーデバイスにアプリケーションがインストールされていなくとも、URLの送信によってクーポンやお得な情報が届けられるようになりました。
一つ条件を挙げるとすれば、ユーザーデバイスにChromeブラウザがダウンロードされていなければならいのですが、Androidデバイスならプリインストールされてるので問題ありません。(iOSユーザーをサービス対象とするなら別です)
ただ、送信出来るパケットは最大17バイトなので「https://goo.gl」といった短縮URLに限定されます。
実は2014年10月にGoogleは「Physical Web」と呼ばれる「アプリケーションを介さずデバイスとウェブを接続する規格」のプロジェクトを発表していたのですが、EddystoneでこのPhysical Webを実装した形になりました。
≪Eddystone-TLM≫
これはEddystoneのバッテリー残量や温度などのメンテナンス情報を取得出来るモードなのですが、今のところプログラマーもあまり使い道が見えていないようです。
しかし周辺温度なども把握出来るようになれば、気温が20℃を下回ると「寒くなってきましたね。暖かい飲みものはいかがですか?」といったリアルタイムなメッセージを送信したり出来そうですね。
iOSにも対応
Eddystoneはクロスプラットフォームなので、AndroidだけでなくiOSでも接続することが出来ます。
「でも、iBeaconでも設定次第でAndroidから検出できるよね?」と思われた方はご名答。
まさにその通りで、iBeaconもクロスプラットフォームを謳っていないだけでAndroidにも対応出来るんですね。
なので特別メリットを感じるような部分ではないかと…
オープンソース
これも多くのプログラマーが注目したと思います。
Eddystoneはオープンソースで提供されているので、GitHubからソースコードをまるまる取得することが出来るのです。
カスタマイズが自由に出来るので今後Eddystoneの利用シーンが拡大しそうですね。
以上がEddystoneとiBeaconの違いですが、どちらの方が性能的に勝っているということはありません。
用途によって選ぶべきものも違ってくるので「何が出来るのか?」をしっかりと見極めた上で選んで欲しいと思います。
まとめ
オフラインマーケティングの重要性が高まっている中、Eddystoneを始めとしたBLEBeaconへの注目は日に日に高まっています。
既に面白いキャンペーンを展開している企業も多いので、近いうちにBLEBeaconを活用した事例を紹介していきたいと思っています。
今までEddystoneについて詳しく知らなかったというマーケターの方は、今後の動向を追っていきましょう。