menu

VRによって救われた命。外科手術でのGoogle Cardboard活用事例

VR/AR

エンターテインメント分野に加え、様々な分野で実用化が進むVR。2015年12月には赤ちゃんの心臓手術にVR映像を視聴できるダンボール型ヘッドマウントディスプレイGoogle Cardboardが使われたというニュースが飛び込んできました。CNNをはじめとした世界中のメディアで広く取り上げられたので、目にした方もいらっしゃるかもしれません。

手術の工程をVRでビジュアル化

手術が行われたのは、アメリカ・フロリダ州マイアミにあるニクラウス子供病院。患者は生まれつき心臓の左半分が欠如していたティーガン・セクレンという生後4か月の女の子で、同病院で心臓血管手術の責任者を務めるレドモンド・バーク医師が執刀を担当しました。

バーク医師によれば、「執刀医は手術を行う前に手術のすべての工程をビジュアル化して確認する必要があるが、このケースではビジュアル化が非常に難しく」、「さらに年齢と状況から極めてハイリスクな手術になることが予想されたため、他の医療チームが手術を断った」といいます。

バーク医師は手術にあたって小児心臓専門医にティーガンちゃんの心臓の3D模型の作成を依頼。依頼を受けた医師は自らGoogle Cardboardを購入し、ティーガンちゃんの心臓の3D画像を「Sketchfab」という3D画像の共有サイトにアップロードして、バーク医師とともにGoogle Cardboardで確認しました。

その結果、3D画像によって心臓の状態をあらゆる角度から見ることができ、手術の工程が決定。ティーガンちゃんの心臓は正常な状態に比べてかなり左に寄っており、また年齢・体力の問題から通常の切開が行なえないと判断したため、胸の上部から下部に切開する方法で手術が行われました。

手術ではGoogle Cardboardの画像を元にティーガンちゃん心臓に残る右心室を補強し、2つの心室の機能を持たせることに成功。バーク医師は手術の前日にGoogle Cardboardの映像を入念に確認して手術のプランを立てたそうですが、実際に切開してみるとティーガンちゃんの心臓の構造はVR画像でイメージした通りだったといいます。

Google CardboardのVR画像によって、困難な障害を抱えた1人の赤ちゃんの命が救われたという事実。VRの技術は私たちが考えている以上に私たちの社会に深く根付いているのかもしれません。

小野 良勝

小野 良勝 代表取締役

投稿一覧

横浜の制作会社アイティネットの代表取締役。WEB、モバイル、DTP、デジタルサイネージを事業展開。それぞれの特性を活かした メディアミックスを得意とする。iPhoneやiPadを活用したBtoB向けのアプリケーションを開発。モチベーションの高い人や異業種との交流がたまらない。華の47年組。趣味はオートキャンプ

ユーザーに新鮮な驚きを与え、想像力を掻き立てる「シネマグラフ」とは?

IoTで安定した都市生活をサポート。カナダの電力会社BC Hydroの「スマートメーター」

関連記事

  1. ハロウィン商戦にVRコンテンツを活用。アメリカ「Target」の…

    クリスマスやバレンタインデーといった季節ごとのイベントは、多くの企業にとって売上拡大のチャンスです。…

  2. 世界のVIPやトップモデルが集うファッションショーをVRで体感。…

    人気ブランドの最新コレクションに最先端の空間演出、ランウェイを行き来する世界のトップモデル‥。日ごろ…

  3. ヘッドマウントディスプレイ(HMD)その3

    Star VR北欧スウェーデンを拠点に活動するゲームスタジオStarbreezeが発表し、世…

  4. 導入事例 トレーニング・教育分野 その1

    東急電鉄 VR鉄道運転シミュレーター東急電鉄は運転士のトレーニングを目的にVR映像による鉄道…

  5. 運転手の姿勢まで検知してアラート通知。ヒュンダイのARディスプレ…

    実際にあるモノや風景をベースに、情報を追加して利便性や快適さ、サプライズをもたらすことができるAR(…

  6. 導入事例 観光分野 その1

    一般向けのVRはもともとアーケードゲームの開発をその起源とすることもり、ゲームや映像作品といったエン…

  7. 導入事例 自動車分野 その2

    トヨタ自動車「Toyota Safety Sense」&「TeenDrive 365」VRシミュレー…

  8. オーグメンテッドリアリティ(AR)とは?

    オーグメンテッドリアリティ(AR)とは?現実でないものを現実のように認識させるバーチャルリア…

PICKUP

PAGE TOP