日本航空(JAL)が国内の他社に先駆けて2014年に羽田空港の搭乗オペレーション改善にBeaconを導入したように、海外でもBeaconを取り入れる航空会社が増えています。
とりわけその動きが顕著なのがイギリスです。イギリスのLCC(格安航空会社)のEasy Jetは、搭乗手続きや搭乗口までの移動をナビゲートするスマートフォンアプリを開発。空港内に設置されたBeaconと併用することによって、オペレーションの利便性向上を図っています。
Easy Jetは、空港内にチェックインカウンターを設置せず、100%オンラインのチェックイン方法(搭乗の60日前から手続き可能)を採用するなど、開業当初から独自の取り組みを続けていることで知られています。そうした独自のオペレーションがBeaconとスマートフォンの活用によってどのように進化するか注目を集めています。
また、ヴァージンアトランティック航空も、ロンドン・ヒースロー空港での搭乗客対応にAppleのiBeaconとチケットの管理ツール「Passbook」を活用。旅行者はiBeaconの検知機能によって、空港内への両替窓口などへおナビゲーション情報を受け取ることができ、「Passbook」を利用することで、スムーズに搭乗手続きすることが可能です。
さらにヴァージンアトランティック航空は、ヒースロー空港内でGoogle Glassの試験的な導入も行っています。これは、ラウンジ内のスタッフがGoogle Glassを装着することで、顔認識機能によって搭乗客の氏名からフライト情報を取得し、より迅速な案内・誘導を図るというもの。将来的には世界中の空港ラウンジで実用化される見込みです。
今のところ、航空会社によるBeaconを利用した施策は、搭乗手続きのサポートや窓口までのナビゲーションといった事務的なオペレーション改善を目的とするものが中心ですが、Beaconの可能性はもちろんそれだけではありません。
例えば、Beaconが検知する顧客それぞれの属性情報を利用すれば、ファーストクラスやスーパーシートの搭乗客を対象にラウンジ内でハイエンドな商品を紹介するプッシュ通知を行ったり、マイレージに応じた空港周辺の利用可能サービスの通知、目的地周辺のエリア情報や注意事項を配信したりすることもできます。Beaconによって空港内のサービスがどう変化していくのか大いに注目されます。